鍛冶 静雄 准教授 (九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所) が 第9回 藤原洋数理科学賞 奨励賞を受賞しました. 受賞業績は《形状デザインの数理的方法の深化・発展とその社会実装》です. 受賞者のコメント: この度,数学の理論を社会に役立てた研究者,あるいは社会に役立つ数学理論を作り出した研究者を顕彰する,藤原洋数理科学賞の奨励賞を頂き,大変光栄に思います. 分子のようにミクロな世界から建築物や宇宙まで,この世界はさまざまな形で成り立っています.私は広い意味での形を,解析したりデザインしたりする研究を行っています.目に見える形だけではなく,数学的にはビッグデータも高次元の形とみなすことができます.数字や文字で表しにくい対象・データを,その形を通して見ることで,コンピューターによる記述や処理が可能になります. 私の研究ではこれまでに,CTやレーダーといった医療・土木で用いられるイメージング技術,コンピューター上で形状をデザインする技術,データの形に着目することで少量のデータで深層学習を補うことのできる解析技術などを,共同研究者の方たちと一緒に開発してきました.また,工学的に有用で不思議な性質を持つ「メビウス・カライドサイクル」という形状(リンク機構)は,折り紙からスタートして背後に現代数学が絡み合う,工学・数学・折り紙が邂逅する学術上も応用上も面白い発見になりました.折り紙の展開図や3Dプリンタモデルを公開しているので,ぜひ触れて見てください. この賞を励みに,産業界・諸科学における数理科学の重要性を伝えられるような研究を続けてゆきたいと思います. 授賞式 日時:2020年10月17日 (土) 14:00~(13:30受付開始) 場所:慶應義塾大学日吉キャンパス 協生館 藤原洋記念ホール |
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