共同利用

回折・散乱・磁気構造解析における2次最適化問題に関わる共同研究


種別 一般研究-短期共同研究
研究計画題目 回折・散乱・磁気構造解析における2次最適化問題に関わる共同研究
研究代表者 萩原雅人(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 中性子科学研究系・特別助教)
研究実施期間 2020年8月6日(木)~ 2020年8月8日(土)
研究分野のキーワード global optimization, quadratic programming, semidefinite programming, Gröbner basis, magnetic structure analysis, Landau theory, representation analysis, magnetic space group, neutron diffraction
目的と期待される成果 【目的】近年、半正定値計画緩和法(SDR)を用いて、磁気構造モデルの大域的最適化を短時間で実施できることが、本共同研究のメンバーにより発見されている[1,2]。磁気構造解析は、主に物性物理分野で磁性材料中の磁気モーメント配列構造を決定するために用いられる解析手法で磁石材料の研究・開発に用いられる。実験データは中性子回折法により測定され、世界有数の大規模陽子加速器を有するJ-PARCで取得できる。J-PARCは国内の共同利用施設で、本施設の粉末回折装置ユーザに向けた磁気構造解析ソフトウェアを開発を手がけている。この開発に協力することは公共の利益に資する。
そこで、本共同研究では、SDRに基づく磁気構造解析ソフトウェアを実現させることを目的とする。また実験家が数学者と構造解析に関わる需要・問題を整理・共有・解決する場として、公開の研究会を1~2日実施する。
【期待される成果】
・ 磁気構造解析は、主に物性物理の研究者が磁気構造の決定に用いてきた解析で、表現解析と呼ばれる数学の議論を要する。産業界で広く使用されるには解析の自動化によるユーザーの負担軽減が必要となる。J-PARCにおいても産業利用促進は求められているが、本共同研究はその第一歩となる。
・ 磁気構造解析では、ランダウ理論に基づく表現解析(i.e., 磁気空間群の表現論)、変調構造による衛星反射の発生、磁性準結晶、といった数学的に定義される構造モデルが用いられており数理結晶学の主要テーマにも関わるため、実際の実験データの観測誤差の下でこれらの議論を実施することは、応用数学の新たな需要開発・問題発掘につながる。
・ SDRは結果の保証だけでなく全ての大域的最適解を取得(結果として問題・解の対称性の取得)の議論も可能な大域的最適化手法である。数学的に得られた情報は、どのような形で提供すればいいのか?ユーザビリティも考慮した具体的な実施例を与えることは、様々な大域的最適化手法の使用法のみならず、証明に基づく数学の議論の役割を再検討する意味があると考えられる。

組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
藤澤克樹(九州大学・教授)
石垣徹(茨城大学・教授)
神山崇(高エネルギー加速器研究機構・教授)
佐藤卓(東北大学・教授)
富安啓輔((株)日産アーク・主任)
富安亮子(九州大学・准教授)
萩原雅人(高エネルギー加速器研究機構・特別助教)