2024年1月 臨時Colloquium開催報告
2024.01.31
講演タイトル:Case study of industrial inverse problems in Finland: X-ray tomography
講師:Samuli Siltanen (University of Helsinki/The Finnish Center of Excellence in Inverse Problems Research)
場所:IMIオーディトリアム(D-413)
X線トモグラフィは,複数の投影方向に沿って患者や物体のX線画像を記録することに基づいており,数学的には有限の線に沿った非負関数の線積分の情報から関数を再構成するという逆問題である.逆問題は一般に非適切性問題であるため,X線トモグラフィにおいても観測データに対する未知関数の安定性はおろか,一意性すら一般には期待できない.このような非適切性問題に見られる困難を,非専門家向けにいくつかの簡単な具体例を用いてご解説いただいた.さらに全変動を用いた正則化法により再構成を行う際の基礎的なアイデアを,2×2の行列を例に丁寧にご説明いただいた.最後に応用として,制限角度とコーンビームによる歯科用X線トモグラフィに関する産業界との共同研究の成果をご紹介された.
講演者の学生であるMarkus Juvonenさんも来学され,解の二重グリッド計算に基づく,画像の全変動デブラーリングのための新しいパラメータ選択法についてご講演された.
参加者:14人 (内 学生: 5人; 教員: 7人; その他: 2人)