第1回IMI所長賞



  • 第1回受賞者:井元 佑介 (九州大学大学院数理学府 修士2年)
  • 受賞者

    受賞理由:
       IMIが主催したStudy Group 2012 (2012年7/25-31)において,鉄道総合技術研究所の神山雅子氏から「線路の局所的計測値から線路の曲線を復元すること」という問題が提示されました.17メートルの弦を線路にあてて,弦と線路とのギャッ プをmm単位で計測したデータから線路の曲線を復元せよという問題です.
       この問題に対して落合啓之(IMI)が曲線と曲率の間の関係を示す Frenet-Serret formula が役に立つのではないかと斎藤新悟(IMI)にコメントしました.斎藤は, これをヒントに,線路が局所的には円弧をなすと仮定して,一定周期の観測値から曲 線の座標を求める理論計算を行いました.これに基づき井元は観測値から曲線を数値的に求め,路線図の作成を行いました.さらに復元された路線図から弦と線路とのギャップを逆に計算し,時間遅れを考慮すると決定係数が0.989とほぼ完全に復元で きていることがわかりました.これら一連の数値計算は井元佑介によるものです.
       統計アプローチが有望と考えられていた問題でしたが,幾何的アプローチが有用で した.多分野の数学専門家が参加していたからこそ解決できたといえます.Study Group がうまく機能すると思いがけない成果が得られるとの好例であるといえます.(敬称略)