共同利用

量子ウォーク数理の新展開:物質制御へのアプローチ


種別 短期共同研究
研究計画題目 量子ウォーク数理の新展開:物質制御へのアプローチ
研究代表者 瀬川悦生(東北大学 情報科学研究科・助教)
研究実施期間 平成25年6月17日(月)~ 平成25年6月21日(金)
研究分野のキーワード 量子ウォーク, 分子制御, レーザー分離
目的と期待される成果 量子ウォーク(QW)はランダムウォークの量子的類推模型として提案され、2000年頃から盛んに研究がされている。特にその数理的構成や統計的性質の研究が数学者を中心に進んでおり、分布の線形的拡がり、非ガウス分布、局在化など、様々な興味深い様相をもつことが証明されている。最近は情報、量子力学、量子生物など学際的に広く着目されはじめ、ある一定の数理モデルとしての効能が示されている。
一方でレーザー技術の発展により、原子分子などの量子多準位系を直接制御する実験技術が既に一般化しており、近年は高度な化学物質分離の研究などを通じて徐々に産業界への浸透が始まっている。実験技術者は個々のケースを数値計算することによってダイナミクスの予測を行うのが一般的な現状である中、最近、QWモデルはレーザーによる量子系制御の基本ダイナミクスをクリアな形で記述することが指摘された。
そこで、本共同研究ではQWを量子多準位系のダイナミクスを記述する数理物理モデルとして提案し、その有用性の可能性を検証する。その為に主にレーザー量子制御の産業応用を目指す研究者とQW数理の研究者で混成チームを作る。そのことによって、これまで抽象的な系で展開されてきたQWの数理で浮き彫りにされてきた基本原理の現実的・実用的な系への展開が望める。より具体的にはレーザー量子制御の産業利用を高度化していくための数理的な基盤を作り、既に実用化が始まっているレーザーによる分子状態制御についての実用上の問題を議論する。そして数理モデルの拡張、及び解析的な評価手法の提案なども視野に入れて進める。この研究では即座に産業界への展開を望むというよりもむしろ近い将来の産業への波及の為のシーズの構築をQWとレーザー量子制御の数理的側面を融合させて行う。
本研究を通してQWの数理を現実的な系に展開し、これまで数値計算に頼らざるを得なかったレーザー量子制御の研究者・技術者がより包括的な視点で実験パラメータを設計できる基盤が構築されることが期待される。また数学側にも効果的な実用に根付いた数理モデル研究について考察する問題意識を作るメリットがある。
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
瀬川悦生(東北大学情報科学研究科・助教)
尾畑伸明(東北大学情報科学研究科・教授)
今野紀雄(横浜国立大学大学院工学研究院・教授)
松岡雷士(日本原子力研究開発機構・任期付研究員)
S.E.Venegas-Andraca(Tecnologico de Monterrey Campus Estado de Mexico / Disructive Computer Technologies, SA de CV・Assistant Professor / CEO)
井手勇介(神奈川大学工学部・助教)
市原 晃(日本原子力研究開発機構・主任研究員)
横山 啓一(日本原子力研究開発機構・主任研究員)
和田 達明(茨城大学工学部・准教授)
Hyun Jae Yoo(Department of Applied Mathematics, Hankyong National University・Professor)
鹿野 豊(自然科学研究機構 分子科学研究所・特任准教授)