共同利用

量子シミュレータとしての量子ウォークの数理


種別 一般研究_短期共同研究
研究計画題目 量子シミュレータとしての量子ウォークの数理
研究代表者 鈴木 章斗(信州大学・工学部・准教授)
研究実施期間 平成31年8月5日(月)~ 平成31年8月7日(水)
研究分野のキーワード 量子コンピュータ、量子ウォーク、量子シミュレータ、同位体分離、連続極限
目的と期待される成果 量子シミュレータは、古典コンピュータでは困難な量子多体系などをシミュレートする制御可能な量子系である。近年進展の著しい量子コンピュータ上に実装することで、創薬や材料開発への応用が期待されるが、高精度なシミュレーションを実現するためには理論解析は重要な課題である。本研究では、量子シミュレータとしての量子ウォーク(QW)の実装上の問題を数学的に定式化し、その問題点を数理的に解決することを目的とする。
QWは、誕生当初から、量子アルゴリズムへの応用などで関心を集めてきたが、最近ではユニバーサルな量子シミュレータとしての役割が期待されている。実際、有限次元の量子系やDirac粒子を、QWを用いてシミュレートする方法が数多く提案されている。ところが、このような提案法を量子コンピュータで実装してみると、理論的な予測に反して、精度が悪かったり、計算の高速化が図れなかったりする。その一因として、提案法の近似の精度の問題がある(現時点では、量子コンピュータ自体の誤差の問題もあるが、これは暫時改良されて行くだろう)。実際、シミュレート可能であることの担保は、「シミュレートしたい量子系のダイナミクスをQWのダイナミクスで近似できる」ことにあり、数学的にはある種の極限定理と捉えることができる。その際、精密な誤差評価を与えるためには、どのような意味で収束するかを明確にする必要があるが、現時点では形式的な議論で済まされているケースが多い。収束の意味を明らかにするためには、数学的に厳密な研究が不可欠である。本研究の期待される成果として、精密な誤差評価が得られれば、実際に応用される際に精度保証付きで量子シミュレータを運用できることなどが挙げられる。


 

組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
大輪 拓也(富士通研究所・研究員)
井手 勇介(金沢工業大学・講師)
鹿野 豊(慶應義塾大学・特任准教授)
前田 昌也(千葉大学・准教授)
瀬川 悦生(横浜国立大学・准教授)
今野 紀雄(横浜国立大学・教授)
横山 啓一(日本原子力研究開発機構・研究主幹)