共同利用

量子場の数理とその周辺


種別 研究集会(I)
研究計画題目 量子場の数理とその周辺
研究代表者 新井朝雄(北大大学院・理学研究院・教授)
研究実施期間 平成28年6月6日(月)~ 平成28年6月8日(水)
研究分野のキーワード 量子デバイス、場の量子論、量子測定理論、非可換調和振動子、非平衡統計力学、Rabi模型、非可換確率論、走査型プローブ顕微鏡
目的と期待される成果 場の量子論の数学的な解析は, von Newmannらによって創始され, 1960年代後半から, I. E. Segal, Glimm and Jaffeらによって, 具体的な模型でスペクトル解析が行われた. この解析は数学的な場の量子論の基礎をなすものとなった. また, 永い間の論争になっていた量子論における観測問題がinstrument を用いた手法による数学的に堅牢な解釈がOzawaによって与えられ, 不確定性原理の再定式化にも繋がり, 実験物理にフィードバックしたことは, 純粋数学が実験に貢献した非常に顕著な例である.

これらの量子概念は,現在, 高度に進化した物理実験で観測されるようになった. 特に探針増強非線形光学効果の進歩に注目したい. その結果, 一つの光子と電子の相互作用の模型である, Rabi模型, JC模型, Cavity QEDが実験で観測されるようになったり, また電子回路で人工原子を構築しそれが光子と相互作用することも観測されるようになった. 日本では日立製作所, NEC, NTTなどで成果を上げている. 100年前に量子力学が発見されたころには想像すら出来ないようなことが, 観測されるようになったのである. さらに 2012年には, この分野の第一人者HarocheとWinlandににノーベル物理学賞が授与され, 注目度は理論家にも波及した. また, 驚くべきことに組織委員の一人若山正人の定義した非可換講話振動子がRabi模型を含むことも最近明らかになった.

 このような状況を踏まえ,数学的量子理論及び産業界・実験物理での量子論の発展状況など, 最新の研究動向に関する意見交換,情報交換を活発に行える場が必要不可欠であると考える. これらを, 国内で実現するためにはIMI共同利用が最適と考え本研究集会を計画した. また,産業界を視野に入れた若い研究者育成のため,大学院生,ポスドク等の研究成果発表の場としてもこの研究集会を活用したい.
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
廣島文生(九大数理・教授)
宮尾忠宏(北大大学院理学研究院・准教授)
廣川真男(広島大学工学部・教授)
若山正人(九大IMI・教授)
橋詰富博(日立製作所東工大連携講座・教授)
成果報告書 【Web公開】成果報告書_共20160006.pdf