
(理論面の)対象 | 暗号技術の安全性の概念、および安全性の効率的な実現・検証方法 |
(理論面の)目標 | 暗号技術の「正しい」安全性概念は何か?それはどう実現されるか? |
ここまでの成果/重要な発見 | 秘密計算技術と暗号学的疑似乱数の組み合わせにおいて、個々が安全でも全体では安全でなくなる具体例の発見 |
これからの目標/現在取り組んでいる目標 | 個々の要素技術の安全性からそれらを組み合わせた全体の安全性をどう保証するかの方法論の確立 |
応用上の成果/目標 | 既存の暗号技術や開発中の暗号技術に対する安全性の検証、効率化 |
さらなる発展の可能性・方向性 | 暗号技術と数学理論の融合による、安全性・効率性の理論限界の導出 |
私は現在は主に暗号の研究者ということになっていますが,学生の頃から現在まで数学の研究も続けており,「数学者」と「暗号学者」の二つの視点から暗号という技術を眺めることで新たな着眼点を獲得できるものと信じています.暗号分野における数学の応用としては整数論や楕円曲線が特に有名ですが,そうした特定の数学的対象だけでなく,概念の本質を捉えた定義の追求や理論的に厳密な証明の構築といった数学者の持つ技能自体も暗号分野の研究に大いに役立つ,ということをこれまでの研究で実感しています.
数学の分野としては,私は組合せ論的群論を主に研究しており,中でもコクセター群という対象の(特に,有限生成でないような,ある意味で超限的な状況での)性質に興味があります.これは純粋に数学的な興味ですが,一方でこうした組合せ論的群論の手法を暗号分野に応用できないか,ということも最近の研究テーマの一つとしています.
キーワード | 暗号数理,暗号理論,秘密計算,組合せ論的群論,離散数学 |
---|---|
部門 | 先進暗号数理デザイン室 |
リンク | Homepage |