九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所

1月 IMI Colloquium(2023/1/11)を開催しました

講演タイトル : 車の技術研究における数学を活かした取組みと今後について
講師:目良 貢 氏(マツダ株式会社 技術研究所)
場所:Zoomによるオンライン配信
 
本講演では, 最初に, 目良様が博士課程在籍中にマツダへのインターンシップに参加してから, 共同研究を経て, 就職するまでの略歴と,現在, 目良様が所属するマツダ技術研究所における活動を紹介頂いた.

次に, 冒頭で紹介頂いたインターンシップにおける目良様のご経験を, 実際に取り組まれたエンジンの過渡計測データとその予測モデルの改善の内容を踏まえながら, 数学を学んできたことで得た知見が, どのように貢献したかを紹介頂いた.

さらに, 目良様がマツダで携わった業務において, どの様に数学からの知見が活かされているかを, 具体的な自動車製造の内容と対比させながら説明頂いた. その中には, およそ現実の製造業において役に立つことが想定できないような “純粋数学” の結果が, 製造過程における課題解決に非常に有効に役立った場合などが含まれていたのが非常に興味深かった.

また産学連携に関して, マツダの中にあるニーズと数学が持つ知見とがマッチングする可能性などについても触れて頂いた.

最後に, 博士課程まで直接的に製造業には関わりのない数学を研究していたにも関わらず, 現在は企業で活躍されている目良さんご自身の経験を踏まえて, 大学で養われること, 企業で養われること,大学で数学を学ぶことの意義 (正解のないことに取り組む姿勢) などについて, 学生にとって非常に有益なメッセージを頂いた.


参加者:34人 (内 学生: 14人; 教員: 11人; その他: 9人)