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九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所

2025年5月 臨時IMI Colloquiumを開催しました

講演タイトル : Modelling, simulation and optimisation of power plants based on renewable energies
場所:IMIオーディトリアム(D-413)及びZoomによるオンライン配信
講師:Prof. Ingenuin Gasser (Faculty of Mathematics, Informatics and Natural Science / Department of Mathematics, University of Hamburg, Germany)
参加者 :14人(学生: 2人;教員: 8人;その他4人)

5月9日、ハンブルク大学(ドイツ)数学専攻のIngenuin Gasser教授をお招きし、IMI臨時コロキウムを開催しました。こちらで、再生可能エネルギー技術に関連した数理モデリング、数値シミュレーションや最適化についての研究成果をご紹介いただきました。
再生可能エネルギーは、持続的社会構築のための主要技術の1つとなっています。欧州、日本や他の地域などで、エネルギー資源の利用可能性など状況は様々に異なりますが、様々な場面で、再生可能エネルギーの需要は増大しています。良い数理モデルやその最適化は、考察する様々な装置や設定の効能・妥当性を簡潔に・素早く・正確に見積もり、持続可能な構造を設計するために重要かつ強力な技術です。
Gasser教授と共同研究者は、この分野で多くの結果を残されています。
その結果は、現実の様々な課題に対する数理モデリング、高等数学の応用に多くの洞察を与えてくれます。その中で、今回は以下の課題に関する話題提供をいただきました:
・シロアリ塚から気候に強い建物へ(温度循環)
・放物型トラフ(太陽光の集光)
・地熱発電
・圧力遅延浸透
Gasser教授の一連の課題は、特定の状況に応じて外力や制約を課した流体力学の方程式がベースとなりますが、構造の本質や詳細を簡単に調べられるように、いくつかのパラメータの漸近的スケーリングをもとに簡略化モデルを導出するのがミソです。
上記の研究では各々に対応する簡略化モデルが導出され、その単純さに関わらず、現実の現象・プロトタイプの検証データと定性的に一致する結果が得られています。まだ数理としても(初期値問題の適切性、解の安定性、機構のネットワーク構造や特徴量の最適化など)改善する課題はたくさんありますが、一連のアイデアは数学的観点から現実の課題を考える統一的な手法とアプローチを提示するものとなっています。