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九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所

2025年4月 IMI Colloquiumを開催しました

■講演タイトル:さらば、データ不足 ~ 生成AIが可能にするスモールデータ分析 ~
■場所: IMIオーディトリアム及びZoomによるオンライン
■講師: 日本電気株式会社 データサイエンスラボラトリー
             草野元紀氏
■参加者:52人(学生: 28人;教員: 17人;その他7人)

2025年度第1回目のIMIコロキウムは、 4月9日(水) 16:45–17:45 に日本電気株式会社 データサイエンスラボラトリーの草野 元紀氏に講演いただいた。

最初に、 IMI設立前後に学生として在籍した九州大学理学部数学科から東北大学で博士号を取得するまで、 数学を実社会へ応用することに興味を持った経緯や位相的データ解析や機械学習から始まるご自身の研究歴などを紹介いただいた。

また、 所属されているNECや、 業務として取り組んでいるSIer (System Integrator) についても、 詳細に紹介いただいた。

その後、 ご自身が取り組まれている研究について紹介いただいた。

取り組まれている研究主題の1つは、 データのタグ付けについてであった。 草野氏の研究によって、 データから得られる情報の解像度を上げることが可能になること、 タグの粒度を自由に設定可能であること、 処理の高速化やAPI費用の低コスト化なども実現できることなどを紹介いただいた。

次に紹介いただいた研究主題は、 推薦システムについてであった。ユーザーとアイテムを入力し、 その反応を返すシステムで、 商品推薦などへの応用についてなどを紹介いただいた。

紹介いただいたいずれの主題についても、 学術研究としての厳密さと、 業務として実施する場合の要求精度やコストとのバランスなどについて言及いただいた。 結果を得るために1、000万円かけて得た精度60%と、 50万で出した精度58%と、 どちらが重要か、 などの例が、非常に興味を引いた。

講演終了後も、 草野氏が九大数理で学生時代 (の一部) を過ごしたことや、 博士号取得後に数学の知見を活かして企業で活躍されている経歴などが参加者の関心を惹き、 予定していた時間を超過した活発な質疑応答が行われたのが印象的であった。