Loading [Contrib]/a11y/accessibility-menu.js

九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所

2025年5月 IMI Colloquiumを開催しました

講演タイトル : 量子測定の新たな展開:誤差–擾乱の評価と量子コンピュータによる実験的検証 
場所:IMIオーディトリアム(D-413)及びZoomによるオンライン配信
講師:北海道大学大学院情報科学院/理化学研究所数理創造研究センター (iTHEMS)
             江守陽規氏 
参加者 :49人(学生: 21人;教員: 16人;その他12人)

今回のコロキウムでは、「量子測定の新たな展開:誤差-擾乱の評価と量子コンピュータによる実験的検証」と題し、量子測定における「誤差 (error)」と「擾乱 (disturbance)」に焦点を当て、言葉に曖昧さを伴ったそれらの概念を数学的に厳密に評価する方法についてご講演を賜った。まず先行研究として、評価すべき擾乱の定義並びにその等価的な書き換え、そして計算方法をご説明いただいた。続いて、ご講演者の研究による、デコヒーレンスを用いた新たな評価アプローチが紹介され、その数学的な導出過程や特徴について解説がなされた。更に、量子コンピュータの概要の紹介の後、量子コンピュータによる数値実験の結果も示され、複数の評価手法の傾向や提案手法の性質も報告された。
量子科学技術の発展において必要不可欠な量子測定を数学的に特徴付けて実行する研究は、数学に携わる幅広い分野の人間にとって大変意義深いものであった。質疑応答も活発に行われ、コロキウム終了後も教員並びに学生との議論が為され、参加者が大いにご講演者の研究に興味を懐いたことが窺えた。