九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所

2024年5月 IMI Colloquiumを開催しました

講演タイトル : 数値シミュレーションによる設備運用・保全支援
講師:小川口 深雪 ((株)四国総合研究所 エネルギー技術部 副主席研究員)
場所:IMIオーディトリアム(D-413)及びZoomによるオンライン配信

参加者 :36人(学生: 11人;教員: 20人;その他: 5人)

講演では、DEMを用いた石炭火力発電所におけるコンベヤシュート内の石炭流れのシミュレーション、MPSを用いた発電プラントにおける矩形水槽のスロッシングのシミュレーション、CFDを用いた発電プラントにおける炭素鋼配管の流れ加速型腐食のシミュレーションなど、小川口氏が手がけた、 数値シミュレーションを発電所設備の運用や保全に活用した事例を紹介いただいた。一方で、矩形水槽のスロッシングを取り上げ、 1自由度の非線型バネ復元力を考慮したDuffing方程式を元に、スロッシングの非線型挙動を補正することでMilesの背骨曲線と応答曲線が実験値とよく一致することを示すなど、数学的な考察の活用も紹介いただいた。これらの紹介いただいた事例を元に、 企業における設備の運用や保全に必要なコストの低減に、 数値シミュレーションや数学の力が役立っている様子を説明いただいた。また、 企業と大学における研究や業務の違いなど、産学連携を推進する教員やこれから就職を考える学生にとって、 有益な知見についても触れていただいた。