7月11日(金)福岡県立宗像中学校・高等学校にて出前授業が行われました
2025.07.31
2025年7月11日(金)、福岡県立宗像中学校・高等学校にて、廣瀨慧教授による出前授業が行われました。対象は中学三年生の78名全員で、50分×2コマの計100分の授業が、視聴覚室にて行われました。
授業の内容は前半(板書形式)と後半(スライド形式)に分かれており、『データの背後にある「構造」を見抜く』という題目に沿った形で行われました。前半は廣瀨教授が数学の道に進んだときの経験と、統計の面白さについて講演していただきました。後半は「100m走と年収の疑似相関」を題材とした講義が行われました。日本人男性の 100m 走の記録と年収でグラフを書くと、『100m走の記録が遅いほうが年収が高い』という関係があるように見えます。この説明として、年齢という隠れた要因が大きな影響を持つことが示されました(年齢が高いほど100m走は遅くなり、年収は高くなる傾向にある)。続いて、年齢の影響を取り除くとどうなるのかという疑問に移り、実際に取り除いたグラフが紹介されたあと、このグラフを描く際に用いた数理的な考え方についても解説されました。疑似相関のグラフを見た生徒からはざわめきが起こり、表示された数式の複雑さには驚く声が挙がるなど、生徒の関心を引き出す授業となりました。
講義終了後の質疑応答では、生徒自身が取り組む研究で得られたデータの重要な要素を取り出す方法や、アンケートを実施する際の適切な人数など、高度な質問が寄せられました。一方で講義後のアンケートでは、一次関数の意外な利用に驚くコメントや、グラフに隠れた理由の重要性を実感した声も寄せられ、多くの生徒にとって意義深い授業であったことがうかがえました。


