九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所

縫田 光司 ヌイダ コウジ

教授

研究者情報 研究・技術カタログ

私は現在は主に暗号の研究者ということになっていますが,学生の頃から現在まで数学の研究も続けており,「数学者」と「暗号学者」の二つの視点から暗号という技術を眺めることで新たな着眼点を獲得できるものと信じています.暗号分野における数学の応用としては整数論や楕円曲線が特に有名ですが,そうした特定の数学的対象だけでなく,概念の本質を捉えた定義の追求や理論的に厳密な証明の構築といった数学者の持つ技能自体も暗号分野の研究に大いに役立つ,ということをこれまでの研究で実感しています.

数学の分野としては,私は組合せ論的群論を主に研究しており,中でもコクセター群という対象の(特に,有限生成でないような,ある意味で超限的な状況での)性質に興味があります.これは純粋に数学的な興味ですが,一方でこうした組合せ論的群論の手法を暗号分野に応用できないか,ということも最近の研究テーマの一つとしています.

キーワード 暗号数理,暗号理論,秘密計算,組合せ論的群論,離散数学
部門 先進暗号数理デザイン室
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