九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所

11月 IMI Colloquium(2022/11/9)を開催しました

講演タイトル : 次を見据えた数理モデルの構築とシステム開発
講師:塚本 真人 (株式会社Fusic) 
場所:Zoomによるオンライン配信
 
本講演では, 最初にFusicの全体像や, 今回の講演の中心であり塚本様が所属する先進技術部門の機械学習チームについて紹介頂いた.

機械学習チームの紹介では, 撮影したサッカーの試合動画を元にAIを活用した試合の分析, 組み合わせ最適化を用いた店舗人員配置の決定, IoTを用いた太陽光発電業務の効率化や付加価値向上を目指した支援システムの構築, などの具体的な業務事例に触れて頂いた.

さらに機械学習チームにおける業務遂行の流れを紹介頂いた後で,店舗人員配置の具体例を用いて, 遂行過程の中から数理モデル開発やシステム構築のステップを中心に詳細の説明を頂いた.

Fusicにおける数理モデル開発では, 業務に必要な人数や必要な責任者の配置などの制約条件の下で, 売上目標や人員の能力差の偏りを少なくすることを考慮した目的関数を設定し, 数理モデルの構築を行っていることを解説頂いた. さらに, 構築した数理モデルを用いて実際のシミュレーションを行い結果を元に顧客からのフィードバックを受けていること, フィードバックを行う際に構築した数理モデルを実際に顧客に見ていただきながらお互いに議論を行うことで要求するデータの必要性など共通理解が進むこと, また作業コストの必要性に対する理解が進み顧客に判断の根拠を提供することが
容易になること, 将来的なシステムの更新が容易になること, など具体的な数理モデルを介することで顧客満足度が向上する利点も解説頂いた.

続いて数理モデル, あるいは数学をより有効に活用するために, 顧客・社内・一般それぞれの対象に分けて, 日頃から継続的な取り組みを行っていることも事例を紹介しながら解説頂いた.

講演頂くことで, 企業における社会実装によって数学がどのように役立っているか, どのような取り組みを行うことで社会に対してより数学の重要性を理解してもらうことができるか, など有用な知見を得ることが出来た.

参加者:26人 (内 学生: 13人; 教員: 6人; その他: 7人)