2026年10月 IMI Colloquiumを開催しました
2026.10.27
講演タイトル : 暗号技術の標準化と数学 〜 ペアリング曲線の規格づくりの現場から 〜
場所:IMIオーディトリアム(D-413)及びZoomによるオンライン配信
講師:酒見 由美 (GMOコネクト株式会社 / GMOインターネットグループ株式会社)
参加者 :34人(学生:14人; 教員14人; その他6人)
本講演では、暗号技術の標準化と数学に関して以下のことについてお話し頂いた。
・暗号技術における標準化と必要性(デジュール/フォーラム/デファクト標準やボルチモア火災の例)
・国際標準化組織IETFの概要と、成果物であるRFC策定までの標準化の流れ
・ペアリング曲線の規格化における具体的な技術的課題と数学を用いた解決策
特に暗号技術を誰もが同じように実装できるよう仕様を書き下す「標準化」の現場において、データの大きさを抑えるための「楕円曲線の点の表示の圧縮方法」や「拡大体での表示方法の規格案」など、細部で直面する実務的な課題に数学の力が不可欠であることをお話し頂いた。具体的には、フロベニウス写像を用いたペアリング計算の短縮や、BN462における空きビットの不足問題など、実際の議論の様子を交えて分かりやすく解説して頂いた。
本講演を通し、論文発表の先にある国際標準化という仕事の重要性と、最先端の規格づくりの現場において数学がどのように貢献し、課題を解決しているのかを深く考えるきっかけを頂いた。

