2025年1月 IMI Colloquiumを開催しました
2025.01.16
講演タイトル : インフラ・製造分野向け波形異常診断AI
場所:IMIオーディトリアム(D-413)及びZoomによるオンライン配信
講師:東芝 研究開発センター / 九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 山口晃広氏
参加者 :24人(学生: 7人;教員: 16人;その他1人)
今回のコロキウムでは、インフラ・製造等の分野で注目されている、センサから収集された時系列波形データを高精度に自動判定する異常診断AIについて、ご講演を賜った。単純に判定精度を上げるのみではなく、ブラックボックスではない解釈可能な波形診断を行い、AIによる判定根拠を専門家の持つ知識と照合することによってより信頼性のある運用を成すことが重要な目標とされる。この問題は非常に幅広い分野で重要であると考えられ、その実現には高度な数学的工夫が必要となる。
本講演では、解釈可能な分類手法であるshapelets学習法を、現実の問題に即して改良した独自手法をご紹介いただいた。具体的には、正常事例と比較して異常事例のデータ数が少ないことや、未学習の異常の検出が難しいこと、波形データの取得タイミングに依って結果が変わってしまう等の問題を、提案手法は高い精度で解決する。また、判定の具体例も提示していただき、数学が実社会で活躍する様を実感することが出来た。質疑応答も大変活発に行われ、教員並びに学生がご講演内容に強い関心・興味を懐いたという印象を受けた。
