九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所

2024年12月 IMI Colloquiumを開催しました

講演タイトル : 空調機の数値シミュレーションと数理的課題
場所:IMIオーディトリアム(D-413)及びZoomによるオンライン配信
講師:ダイキン工業株式会社 高根沢 悟氏
参加者 :31人(学生: 11人;教員: 17人;その他3人)

12月のコロキウムでは、ダイキン工業株式会社の高根澤氏が空調機器の設計に用いられる数値シミュレーションと、その設計に現れる数学的課題について紹介しました。

まずダイキン工業株式会社の事業内容を紹介した後、 物理現象と数値シミュレーションの結果に基づいて、 空調機器の設計における現在の課題を紹介するとともに、これらの課題解決につながると期待される数学について触れました。

次に製造業における数学人材の現状と将来的重要性について説明しました。 特に、高根澤氏が卒業した東北大学に在籍していた数学者 窪田忠彦教授の「歯車幾何学」や、著名な数学者ポントリャーギンの工学への貢献などの話題から始め、工学や製造業における従来とは異なる新しい軸として (数学科出身者を含む) 数学者と数学的知識の重要性を強調しました。

このコロキウムでは、ダイキン工業が空調機器の設計で直面しているさまざまな課題について議論し、 参加者はものづくりにおいて数学が実際にどのように役立つか、あるいは役立つと期待されているかを学ぶことができました。 産業界と共同研究を行っている教員は、今後の産学連携に非常に役立つ知識を学ぶことができ、学生は学んだ数学が産業界でどのように使われているかの事例を学ぶことができました。
また、講演終了後もコロキウムに参加した学生と高根澤氏の間で議論や情報交換が続いていたのも印象的でした。