九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所

2026年8月21日(金)アウトリーチイベント “MATH FOR THE FUTURE VOL.3” 開催報告

 2026年8月21日(金)、九州大学伊都キャンパス稲盛財団記念館1階稲盛ホールにて、「Math for the Future Vol.3」が開催されました。
本イベントは、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所および福岡県教育庁高校教育課の共催によるアウトリーチイベントで、過去最多となる20校から125名の高校生が参加しました。

 当日は、午前に講義・演習、午後に九大キャンパス・ツアーを行う二部構成で実施されました。
午前に2つの講義が行われ、1つ目は、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所の吉良知文准教授による「物流改革を支える数理のチカラ」、2つ目は、九州大学数理学研究院の石井豊教授による「GoogleのPageRankと線型代数」でした。
 吉良知文准教授の講義では、深刻化する物流業界の人手不足を背景に、数理を活用した物流改革への取り組みが紹介されました。パレットの共同利用や「共同輸送」を題材に、物流の効率化に数学がどのように活用されているのかについて説明が行われました。また、これらの取り組みにおいて、高校や大学1年生で学ぶ数学がどのように活用されているのかについても紹介され、数学が実社会の課題解決に役立っていることを学ぶ機会となりました。
 石井豊教授の講義・演習では、Googleの検索エンジンに用いられているPageRankを題材に、線型代数と実社会とのつながりについて学びました。ベクトルや行列などの数学がPageRankの計算にどのように活用されているのかについて解説が行われ、演習では、高校ごとに分かれるのではなく、学校の枠を越えてグループを編成し、参加者同士で協力しながら、PageRankの計算に実際に取り組むことで、日頃学んでいる数学が身近なサービスの仕組みに活用されていることを体験しました。

午後の九大キャンパス・ツアーでは、九州大学の大学院生と昼食をとりながら交流したほか、座談会や理系図書館の見学を行いました。高校生同士や大学院生と積極的に話をする姿が見られ、図書館では興味深そうに本を手に取るなど、大学での学びや学生生活に触れる様子が見られました。

 アンケートでは、講義について「難しい」と感じた高校生が多かった一方、楽しさに対する評価は非常に高く、「大学で習うような内容もあって少し難しくもあったけど楽しかった」など、難しい内容を肯定的に捉える意見が見られました。また、イベント全体について99%が「楽しかった」「やや楽しかった」、84%が「再度参加したい」と回答しており、数学の面白さや実社会における数理の活用に触れる機会として、高い評価を得るものとなりました。