マス・フォア・インダストリ研究所

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生体分子ネットワークの構造に基づく生命システムの挙動の解明


開催時期 2015-05-20 16:45~2015-05-20 17:45

場所 九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 大講義室1(数理・IMI図書館棟3F)

受講対象  

講師 望月 敦史 (理化学研究所・望月理論生物学研究室/CREST, JST)

5月 IMI Colloquium
 
日時:2015年5月20日(水)
         16:45-17:45
場所:九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所
         大講義室1(数理・IMI図書館棟3F)
講師:望月 敦史 氏(理化学研究所・望月理論生物学研究室/CREST, JST)
 
講演タイトル:生体分子ネットワークの構造に基づく生命システムの挙動の解明

講演要旨:
   生命現象の多くは様々な生体分子が関わる複雑なシステムから成り、そのシステム全体のダイナミクスから生命機能が生まれるのだと分かってきた。しかし、生体分子ネットワークは分子間の相互作用関係だけを示しており、その情報だけではダイナミクスを決定できない。これに対して私は、ネットワーク構造とダイナミクスとを直接結びつける数理理論を幾つか開発し、これを用いて実際の生命現象の解明に挑んでいる。今回は、化学反応系に対する関数フリー理論とその適用研究を中心に紹介する。
   生体内の化学反応は連鎖的につながり、ネットワークを形成することが知られている。このシステムのダイナミクスを理解する目的で、反応を司る酵素に操作的撹乱を与え、化学物質の濃度変化を測定する実験がなされ始めている。しかしそうした摂動実験の結果は、直感的理解が困難だと考えられてきた。これに対して我々は、化学反応ネットワークの構造だけから、摂動に対するシステムの応答を定性的に予測する数理理論を構築した。様々な仮想的ネットワークに対して解析を行った結果、化学反応系の応答はネットワークの形と摂動を与える箇所に依存して大きく変化し、特徴的な振る舞いを示すと分かった。さらに解析を進め、ネットワークの形と摂動応答パターンを結びつける一般則を発見した。現在、この理論を中心代謝系ネットワークに適用する共同研究を進めている。中心代謝系のネットワークには、未知の反応や制御が存在する可能性が高い。実験と我々の理論を比較することで、未知の制御の予測と検証を行い、実際の化学反応系を解明できると期待している。この研究は、Prof. Bernold Fiedler (Free Univ. Berlin, Germany)との共同研究である。
   Mochizuki A. & Fiedler B. J. Theor. Biol. (2015) 367, 189-202.
   Fiedler & Mochizuki Math. Meth. Appl. Sci. (In Press)
 


5月 IMI Colloquium (2015/5/20開催)報告