マス・フォア・インダストリ研究所

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平均次元理論における変分原理


開催時期 2019-05-31 16:00~2019-05-31 17:30

場所 九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 大講義室 W1-D-313

受講対象 研究者・大学院生 

講師 塚本 真輝 (九州大学)

【講演要旨】:
この4月から九大に来ました塚本です.自己紹介を兼ねて講演をさせていただきます.
平均次元という力学系の位相不変量を10年以上研究しております.最近,これに関して「変分原理」というものを開発したので,それについて話します.力学系における変分原理とは,通常は,位相的エントロピーを測度論的エントロピーの上限としてあらわす定理です.この定理の大事な応用は,力学系の不変測度の中でどれが「良い」ものかの特徴づけです.一般に,力学系は非常に多くの不変測度を持ちえます.その中からどれが「良い」測度なのかを見極めたいのですが,その一つの基準として,変分原理の上限値を達成する測度(つまり,測度論的エントロピーが位相的エントロピーに等しい)を良いものだと考えようというアイデアがあり,大きな成功を収めました.(より詳しくは,位相的圧力という概念への一般化も必要になりました.)しかし,位相的エントロピーが無限大の力学系に対しては,これは無意味になります.一方で平均次元は,そのような無限エントロピーの力学系に対して意味のある量を与えるものです.そこで,平均次元に対して変分原理を作れば,それを使って新しい「良い測度」の基準ができるのではと期待できます.最近,そのような方向性に対してかなり実質的な進展を達成できたと思うので,それを説明したいです.

※ このセミナーは力学系・トポロジー・幾何学合同セミナーです.