高機能耐量子電子署名方式の考案

整理番号 20210017
種別 若手研究-短期研究員
研究計画題目 高機能耐量子電子署名方式の考案
研究代表者 王 イントウ (北陸先端科学技術大学院大学・情報科学系・助教)
研究実施期間 2022年2月2日(水)~ 2022年2月10日(木)
研究分野のキーワード 耐量子暗号;電子署名方式
目的と期待される成果 現代の情報社会では,電子署名方式のRSA,DSA,ECDSAなどを電子決済や仮想通貨などの領域で幅広く利用されている.これらの暗号技術により偽造や改竄などを防止できる通信経路を実現し,情報通信の安全性を強化している.ただし,量子アルゴリズムの提案により,これらの暗号技術を短時間に攻撃できて非常に脅威になることが知られている.そのため,耐量子暗号技術(PQC)の研究開発が世界的な急務となっている.その中,格子暗号,多変数多項式暗号,符号ベース暗号などPQCの候補として,近年盛んに研究が進められている.例えば,米国国立標準技術研究所(NIST)は2016年からPQCの標準化プロジェクトを進めてきた.2020年7月に第3ラウンドに入選した暗号方式4件と電子署名方式3件を発表した.そこで,本プロジェクト担当者のDustin Moody氏は「安全と応用の観点から,電子署名候補の多様性不足に心配」と2021年1月にメーリングリストにて世界中の暗号研究者に発信した.
本研究の目的は,格子問題ベース署名方式と多変数多項式署名方式を組合せた耐量子性を持つ高機能電子署名方式を提案することである.電子署名方式の中核となるTrapdoor Hash Function(TDH)の設計が最も重要な課題だと考える.本研究構想としてはまず,格子暗号におけるLWE問題,CVP問題,NTRU問題などに基づいたTDHと,多変数多項式暗号におけるMQ問題に基づいたTDHを考察する.その上,これらの数学的困難問題を組合せて新たなTDHを開発することを目指す.また,これらのTDHを用いて提案された署名方式を研究し,様々な署名技術を利用して開発したTDHをベースとした高機能なハイブリッド署名方式を提案し,高速実装を行う.本研究によって,耐量子電子署名方式の多様性を高めると考えられる.
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
王 イントウ(北陸先端科学技術大学院大学・助教)
アドバイザー 秋山 浩一郎(株式会社東芝 研究開発センター)