実社会に見られる複雑なネットワークと無限粒子系の交差点Ⅱー複雑ネットワーク上の情報流ー

整理番号 20210005
種別 若手研究-短期共同研究
研究計画題目 実社会に見られる複雑なネットワークと無限粒子系の交差点Ⅱー複雑ネットワーク上の情報流ー
研究代表者 長田 翔太(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所・学術研究員)
研究実施期間 2021年8月19日(木)~ 2021年8月19日(木)
2021年11月22日(月)~ 2021年11月27日(土)
2022年2月8日(火)~ 2022年2月13日(日)
研究分野のキーワード 複雑ネットワーク,スケールフリー,スモールワールド,大規模相互作用系
目的と期待される成果 本研究では, 複雑ネットワークや階層構造グラフ上の大規模相互作用粒子系を考察することにより, 実社会における様々な流通現象を数学的に捉えること, 特にネットワークやグラフ上の流通コストの最適化問題に取り組む. 特殊な構造を持つ空間上の粒子系には特異な現象が期待されることから, 本研究によってモデル化された実社会の現象における特異的な出来事の解明につながると期待される.
(複雑ネットワーク, 階層構造グラフ)
・実社会における人と人のつながりはネットワークで表され, 物の往来や情報の伝達はネットワーク上を運動する粒子とみなすことができる. 人のつながりを表すネットワークは, 一般に
(1) スモールワールド性 (2頂点間の平均距離が短い, クラスター係数が大きい)
(2) スケールフリー性 (頂点から出ている辺の次数分布が裾の重いべき乗分布になる)
を持つグラフ上の流れとして記述できることが知られ, これらの特徴を併せ持つグラフは従来の数理モデルで扱われる正方格子やエルデシュ-レーニィグラフとは異なる様相を持ち,複雑ネットワークと呼ばれる. 複雑ネットワーク上の拡散現象を捉えるためには従来の二乗可積分なエネルギー構造を一般化する必要があると予想され, ネットワークの特性を踏まえた関数空間を適切に選択することにより, 新たな数学的手法の確立と数理的結果の導出を目指す.
・階層構造を持つグラフの解析は深層学習モデルやデータの人工的生成への応用から現在精力的に研究されている. このようなグラフはイジング模型と呼ばれる統計力学モデルと自然に対応することが知られており, イジング模型の解析を通して階層構造グラフの厳密結果を得られることが期待される. 具体的には, 階層構造を持つグラフにおける学習過程を, イジング模型に対応するギブス分布の学習過程とみなし, 後者を確率測度からなる距離空間上の勾配流として定式化することで解析を行う. 目的は, 時空間スケール極限を通して長時間経過後に大域的最適解への収束を証明すること, 及び収束時間のオーダーを導出することである. また, 統計力学的興味として, 大域的最適解へどのように近づくのか, 学習過程に対応した発展方程式の厳密導出を目指す.
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
森 隆大(京都大学 数理解析研究所 ・研究員)
林 晃平(東京大学大学院数理科学研究科・大学院生)
須田 颯(慶應義塾大学 理工学研究科・研究員)
上島 芳倫(北海道大学 数理・データサイエンス教育研究センター・学術研究員)
長田 翔太(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所・学術研究員)
新井 裕太(千葉商科大学 基盤教育機構・助教)
早川 知志(Mathematical Institute, University of Oxford・DPhil student)
アドバイザー 恐神 貴行(日本アイ・ビー・エム株式会社)
WEB