マス・フォア・インダストリ研究所

研究集会・ワークショップ・国際会議



研究集会・ワークショップ・国際会議(一覧)

光ファイバーとそれに関連する非線形偏微分方程式の研究


開催時期 2012-08-20 10:00~2012-08-24 12:00

場所 九州大学マス・フォア・インダストリ研究所 中会議室(122号室)

光ファイバーとそれに関連する非線形偏微分方程式の研究
Optical fibers and related partial differential equations

※ この研究集会はマス・フォア・インダストリ研究所 短期共同研究の公開プログラムです。
 
 開催期間
 
 2012年8月20日(月)~8月24日(金)
 
 開催場所
 
 九州大学マス・フォア・インダストリ研究所 地下1階 中会議室(122号室)
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 講演
 
 8月20日(月)

 13:30-15:00
 題目:ある反応拡散方程式系における基礎生産項の役割について
          Effect of basic production terms in some reaction-diffusion systems
 発表者:鈴木 香奈子(茨城大学)
 概要:
本講演では、活性因子-抑制因子型の非線形項を持つ反応拡散系で、かつ基礎生産項を含むような系を考察する。基礎生産項とは、反応とは無関係に単位時間あたりに供給される活性因子、抑制因子の量である。 ここでは、空間上非一様な基礎生産項を持つ場合を考察し、その項が解の挙動に及ぼす影響や定常解の形状に及ぼす影響について、これまで得られている結果を紹介する。パターン形成のモデルにおいては、基礎生産項の存在が、系のダイナミクスを安定化させる重要な役割を担っている。

 15:30-17:00
 題目:線形作用素の一般化スペクトル理論とその無限次元力学系への応用
          A spectral theory of linear operators on Gelfand triplets and its applications to infinite
          dimensional dynamical systems
 発表者:千葉 逸人(九州大学)
 概要:
Gelfand tripletと呼ばれる、線形位相空間の3つ組上での線形作用素のスペクトル理論を展開する。通常、作用素のスペクトルは、C上におけるレゾルベントの特異点集合として定義されるが、Gelfand tripletを導入すると、 レゾルベントが複雑なRiemann面を持ちうる。そこで、Riemann面全体を 見渡した時のレゾルベントの特異点集合を一般化スペクトルと呼ぶ。一般化スペクトルは、普通のスペクトルと同じくらい、作用素についての重要な情報を持っており、これを用いることで従来は見えなかった現象を捉えることができる。 講演では、これをある無限次元力学系の解の分岐理論に応用する。


 8月21日(火)

 10:00-11:30
 題目:光ファイバーに由来する非線型方程式の解の大域挙動について
          Global behavior of solutions to a nonlinear equation originating in optical fibers
 発表者:眞崎 聡(学習院大学)
 概要:
光ファイバー中の信号の伝播を記述するモデルを一般化したべき乗型非線型シュレディンガー方程式を考察する。 質量劣臨界と呼ばれる場合において、解の大域挙動を調べる。特に、時刻無限大付近で自由解へと近づく(散乱)ための定量的かつシャープな十分条件を与える。

 14:00-15:30
 題目:EDFA現象を記述する非線形シュレディンガー方程式とその解の爆発
          Nonlinear Schrodinger equation describing EDFA phenomena and blow-up of the solution
 発表者:北 直泰(宮崎大学)
 概要:
光ファイバーにエルビウムイオンを添加することによって光信号を増幅する技術が近年実用化されるようになってきた。この技術は Erbium Doped Fiber Amplification (EDFA) と呼ばれる量子力学的な効果を利用したものである。このEDFA 効果を取り込んで数理モデル化し、光ファイバー内を伝搬する信号の様子を記述したものが、複素係数を伴った非線形シュレディンガー方程式である。講演では、この類の非線形シュレディンガー方程式を解析的に取り扱うことによって、小さなデータが徐々に増幅されて有限時間のうちに blow up する様子を捉える。

 16:00-17:00
 題目:Bifurcation analysis for the Lugiato-Lefever equation on a disk
 発表者:宮路 智行(京都大学)
 概要:
Lugiato-Lefever方程式は光共振器でのパターン形成を記述する数理モデルとして提案された,散逸項と入力場を伴う三次の非線形シュレディンガー方程式である.数値計算によれば,あるパラメータ領域では空間局在的な安定定常解を持ち,特に空間二次元では,パラメータの変化とともにこの定常解が不安定化し,空間局在的な時間周期解が生じる.これはさらに大域的な分岐で消滅する.本講演では二次元円板領域上の方程式に対する空間一様な定常解が二つの異なる回転対称なモードに対して同時に不安定化するパラメータ値近傍で分岐解析によって,系に大域的な分岐が生じうることを示す.


 8月22日(水)

 10:00-11:30
 題目:Saddle-saddle connectionの精度保証付き数値計算
          Rigorous numerics of Saddle-saddle connections
 発表者:松江 要(東北大学)
 概要:
不動点間の、あるいは一般の力学系の不変集合の間のコネクティングオービットの精度保証付き同定法を紹介する。これは進行波を始めとした空間パターンの遷移現象に対応しており、応用上も非常に重要な概念である。これは一般にその構造不安定性より大域的な分岐現象を引き起こすため、力学系の構造解析の観点においても非常に重要な位置を占める。本講演では力学系のコネクティングオービットの新しい数値検証法を紹介する。これは不動点の安定・不安定多様体の記述が非常に簡潔にでき、かつ高次元、放物型PDE などの無限次元力学系への応用が比較的簡単にできる事が期待される。

 13:30-15:00
 題目:非線形Klein-Gordon型格子におけるDiscrete Breatherの安定性
          Stability of discrete breathers in nonlinear Klein-Gordon type lattices
 発表者:吉村 和之(NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
 概要:
弱結合1次元非線形Klein-Gordon型格子において,Discrete Breather (DB)と呼ばれる局在周期解の安定性を,anti-continuous(AC)極限(結合が無い極限)の近傍で調べた. AC極限では,任意に配置された励起格子点からなる自明な周期解が多数存在する. それら自明なDB解を延長することにより,弱結合領域でのDB解の存在が証明される.弱結合領域におけるDB解の波形と線形安定性は、簡明な法則により関係付けられる.本講演では,その安定性に関する法則を明らかにした結果について述べる.具体的には,DB解の安定性/不安定性は,2つの隣接する励起格子点の変位の位相差、および、格子点間距離に依存して決まることを示す.

 15:30-17:00
 題目:Rigorous numericsとその応用
          Introduction to Rigorous numerics
 発表者:松江 要(東北大学)
 概要:
区間演算を用いた精度保証付き数値計算の基本的アイデアを紹介する。比較的基礎的な数学理論を応用する事でこれまで解析が困難であった問題へのアプローチが可能になる。本講演では上記に加えて精度保証付き数値計算を応用するのに有用な数学理論を復習し、実際の微分方程式、力学系への応用も簡単に紹介する。


 8月23日(木)

 10:00-11:30
 題目:Asymptotic stability of solitary waves in the Benney-Luke model of water waves
 発表者:水町 徹(九州大学)
 概要:
The $1$-d Benney-Luke equation is a long wave model which describes two-way water wave propagation. For this equation, as for the full water wave problem, the classic method for proving orbital stability of solitary waves fails due to the fact that solitary waves are infinitely indefinite critical points of the energy-momentum functional. In this talk, we will show asymptotic stability of solitary waves based on propagation estimates of the $1$-d Benney-Luke equation. This is a joint work with R.~L.~Pego and J.~R.~Quintero.

 14:00-15:30
 題目:Derivation of Bose-Hubbard model -Approximation by DNLS
 発表者:福泉 麗佳(東北大学)
 概要:
It is known that the nonlinear Schrodinger equation with a periodic potential is approximated by a discrete nonlinear Schrodinger equation using the Wannier theory. However, this method requires some technical assumptions on the band functions, and applies only to some special periodic potentials. We thus justify this approximation using the semiclassical technique, which allows us to include more general, realistic potentials for physical applications, e.g, Bose-Einstein condensation or optic fibers. Using this approximation, we will see that for a large strength of the nonlinearity the stationary solutions turn to be localized on a single lattice site of the periodic potential. This is a joint work with A. Sacchetti.

 16:00-17:00
 題目:Introduction to numerical simulation by spectral methods
 発表者:宮路 智行(京都大学)
 概要:
偏微分方程式の数値解法は差分法や有限要素法などさまざまなものが知られている.スペクトル法は,方程式の解を基底関数の和として展開し,方程式を満たすように係数を決めることで数値解を得る数値解法である.有限要素法はコンパクトな台を持つ基底関数を用いるのに対して,スペクトル法では境界条件を満たす滑らかな直交関数系を用いる.大域的な関数展開であるため,境界条件によっては適用が困難だが,適用可能な場合には高精度な数値計算が期待できる.本講演では実例を交えながら,スペクトル法による数値計算法を紹介する.


 8月24日(金)

 10:00-11:30
 題目:On weak interaction of a ground state with a nontrapping potential
 発表者:前田 昌也(東北大学)
 概要:
We consider a nonlinear Schr\"odinger equation with nontrapping potential. We show that the ground state moving at high speed is asymptotically stable. This extends the asymptotic stability results by Cuccagna and Bambusi in the case there is no potential. This is a joint work with S. Cuccagna.