共同利用

魚群の回遊過程で最小化される目的関数の導出と解析


種別 一般研究_短期研究員
研究計画題目 魚群の回遊過程で最小化される目的関数の導出と解析
研究代表者 吉岡 秀和(島根大学生物資源科学部・助教)
研究実施期間 平成29年7月25日(火)~ 平成29年7月28日(金)
研究分野のキーワード 魚群,回遊,目的関数
目的と期待される成果 魚群回遊の機構解明や解析は,多様な環境における水産資源の管理手法を見出すために不可欠である.とくに,アユ等の回遊魚に代表され,群れをなし大移動を行う内水面水産資源の動態予測は,環境・生態工学の分野で主要な課題である.こうした水産資源は,しばしば農山漁村の主要な収入源であり,その管理手法の是非が地方盛衰の鍵を担っている.既往研究では,実験や観測により回遊魚の動態が検討されてきた.一方,回遊機構の数理的記述も着実に進められてきたが,その多くは大自由度の微分方程式系からなる多体系モデルである.確かに,多体系モデルは魚群が織りなす複雑かつ微視的な行動様式を予測し得る.しかしながら,環境・生態工学の分野でいま求められているのは,魚群がいつ,河川水系のどこを,どう回遊するかという,巨視的動態を効率的に与えるミニマルモデルである.すなわち,簡素かつ効率性が高い魚群回遊の予測手法の確立が強く求められている.この立場からは,多体系モデルの適用は実用性を欠く.
こうした背景のもと本研究では,魚群回遊がある目的関数を最小化するよう生じるという生物学的な仮説に依拠し,簡素かつ効率的な魚群回遊の数理モデルを導く.具体的には,①確率論的な観点から魚群内の魚類個体の相互作用を理論的に検討し,これと整合する目的関数を新たに定式化し,②その最小化として生じる巨視的な魚群回遊の数学解析を行い,③現地観測(同時並行で,島根県斐伊川で実施予定)結果との整合性を検証する.本研究の遂行により,魚群回遊の新たな数理モデリング手法の樹立とその性質の解明,およびアユ放流位置の決定などの実問題への適用という,学術と応用の両面で成果が期待できる.今後,IMIや他研究機関での研究集会開催につながるよう,数理農学の発展に寄与できる研究としたい.
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
吉岡 秀和(島根大学生物資源科学部・助教)