共同利用

確率過程に基づいた魚群の河川回遊過程モデリング


種別 短期研究員
研究計画題目 確率過程に基づいた魚群の河川回遊過程モデリング
研究代表者 吉岡 秀和(島根大学生物資源科学部・助教)
研究実施期間 平成28年8月22日(月)~ 平成28年8月26日(金)
研究分野のキーワード 魚群,回遊,確率制御,平均場ゲーム,有限要素法
目的と期待される成果 アユやヤマメなどの回遊魚は河川生態系の中核,かつ河川周辺の地域経済を支える貴重な水産資源である.近年の大規模な河川改修は回遊魚の生息・回遊環境を破壊し,河川環境,生態系,地域経済を窮地に立たせている.とくに,河川環境保全の役割を担う漁業協同組合は,漁業者数減少による収入減少や河川管理に関わる支出増加に起因して,経営破綻寸前にある.こうした問題は,いまや我が国の至る所で普遍的に存在する.この現状を打開することなくして,我が国の地域環境再生は困難である.回遊魚の動態に注目して河川環境と生態系を定量的に評価する接近手法の確立は,上記課題の一挙解決に向けた有効打となり得る.しかしながら,そのような試みは少ない.
以上の背景を鑑み,本研究では,河川水系における魚類回遊の数学モデリングと数値解析,実問題解決への応用を目的と定める.とくに,①実際の魚類回遊は魚群単位で行われること,②回遊過程にはダムや堰などの水利構造物や水鳥などの捕食者が存在すること,③回遊は河川単線ではなく河川網で生じること,を考慮する.魚類回遊の数理モデルはごく少数しか存在せず,①から③に適合するものは皆無である.本研究ではとくに,確率制御や平均場ゲームという近年発展が著しい応用数学分野の知見を用いた数理モデル化,数値計算手法の確立,実際の数値シミュレーションを行い,魚群の回遊に対する実用的かつ数学的に厳密な接近手法を導く.本研究で得られる知見は,新たな数理モデルの解構造の解明という学術的意義を有するとともに,実際の地域環境や漁業経営の改善,地方自治体への助言などの実務へも貢献する.本研究は,産・官・学全ての面において意義深いものと確信する.
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
吉岡 秀和(島根大学生物資源科学部・助教)