共同利用

大規模ネットワークの特徴を抽出するアルゴリズムの開発と社会行動の予測


種別 短期共同研究
研究計画題目 大規模ネットワークの特徴を抽出するアルゴリズムの開発と社会行動の予測
研究代表者 長谷川 雄央(東北大学 大学院情報科学研究科・助教)
研究実施期間 平成24年2月6日(月)~ 平成24年2月10日(金)
研究分野のキーワード Complex Network, Graph Algorithm, Viral Marketing, Human Dynamics, Machine Learning
目的と期待される成果  近年facebook、mixi、twitterに代表されるソーシャル・ネットワークが注目を集めている。これらソーシャル・ネットワークは大規模かつ随時更新されるため、その分析には高速かつ効率的にネットワークデータを扱い、重要な情報を導くことが要求される。複雑な構造を持つネットワークの特徴を抽出する理論は10年ほど前から始まった“複雑ネットワーク”と呼ばれる分野で発達してきた。例えば、Googleの検索アルゴリズムがネットワークのhubとauthorityという構造的な特徴に着目して作られていることはよく知られている。複雑ネットワーク理論を大規模ソーシャル・ネットワーク分析に積極的に取り入れることで、ネットワークの特徴を効率的に抽出し、重要な情報を導くアルゴリズムに繋がる。
 また、複雑ネットワークの分野では構造的な特徴を抽出するだけでなく、ネットワークの頑健性や情報伝搬の容易さ、congestionの起こりやすさといった特性に関する理論的な研究も行われている。その中の一つに、viral marketingに関する研究がある。広告業界では、ソーシャル・ネットワークにおける宣伝活動の重要性が認識されつつあるが、viral marketingと個人の活動履歴の統計を用いたrecommendationはその代表例と言える。ネットワーク構造の知識に基づいた有効なviral marketingの提案 (例えば「どのグループを刺激すれば大規模な口コミを引き起こすことができるか?」) は複雑ネットワーク分野でも近年行われるようになってきている。また、amazon.comの個人ページでも採用されているように、個人の活動履歴 (例えば閲覧履歴や買い物履歴)の統計的知識に基づくrecommendationは、企業がより低いコストでユーザーを消費活動に向かわせるための重要な道具となっているが、そこに個人のある種の社会的文脈、ソーシャル・ネットワークという人と人との“繋がり”に着目した場合、新たなrecommendationの提案に繋がることが期待される。
 以上のように、複雑ネットワークとそれに関する理論によって、我々は人間のソーシャル・ネットワークを通じた社会活動の情報から様々な有益・重要な情報を効率的に引き出すことができる。しかし、「理論的に効率が良い」と「実際的に効率が良い」はしばしば別物である。本短期共同研究における狙いは、理論的な研究を行っている研究者、実データに基づいた研究を行っている研究者、実際使用する立場にある企業の人間が集まり、お互いの知識と問題意識を共有、解決していくことで、ソーシャル・ネットワークを例とする大規模ネットワークの特徴を効率的に抽出するアルゴリズムの提案や人間の社会行動の数理の研究の発展、新しいviral marketingやrecommendationの提案へと繋がる研究を発展されることにある。
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
三浦 佳二(東北大学大学院情報科学研究科・助教)
大舘 陽太 (東北大学大学院情報科学研究科・助教)
鈴木 香奈子(東北大学大学院情報科学研究科・助教)
尾畑 伸明(東北大学大学院情報科学研究科・教授)
岡田 好美(株式会社IMJ, Marketing & Technology Labs ・コンサルタント)
林 幸雄(北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科・准教授)
鳥海 不二夫(名古屋大学大学院情報科学研究科・助教)