マス・フォア・インダストリ研究所

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研究集会・ワークショップ・国際会議(一覧)

レーザー同位体分離の実用化における量子ウォークの数理


開催時期 2017-07-24 13:00~2017-07-26 11:50

場所 九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中講義室 W1-C-515

レーザー同位体分離の実用化における量子ウォークの数理

※ この研究集会はマス・フォア・インダストリ研究所 共同利用研究の公開プログラムです.
 
 開催日
 
 2017年7月24日(月) - 7月26日(水)
 
 開催場所
 
 〒819-0395 福岡県福岡市西区元岡744番地
 九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 C棟 5階
 中講義室 W1-C-515
 アクセスについてはこちらをご覧ください
 
講演者および研究メンバー
 
 井手 勇介 (神奈川大)
 今野 紀雄 (横浜国立大)
 西郷 甲矢人 (長浜バイオ大)
 鈴木 章斗 (信州大・研究代表者)
 瀬川 悦生 (東北大)
 松江 要 (九大IMI)
 松岡 雷士 (広島大)
 結城 謙太 (広島大)
 横山 啓一 (日本原子力研究機構)
 
7月24日(月)
13:00 - 14:00
講演者:今野 紀雄 (横浜国立大)
講演タイトル:量子ウォーク入門-なぜ注目され続けているのかー
アブストラクト:量子ウォーク (quantum walk)は,ランダムウォークの量子版として導入されたモデルであるが,線形的な広がり,局在化,逆釣鐘型の極限分布など非常に異なる性質を有する.量子ウォークの本格的な研究が始まったのは,2000年前後であり,その後,組合せ論的手法,フーリエ解析,停留位相法,母関数法など様々な手法で理論的側面は明らかになりつつある.一方,量子ウォークの実現方法の種々の提案や応用,例えば,強相関電子系,トポロジカル絶縁体,放射性廃棄物低減,光合成,量子 探索,グラフ同型問題,場の理論なども盛んに研究されている.本講演では,量子ウォークについて,数理的構造を主にその魅力を概説し,他の講演の入門編としたい. 参考文献:『量子ウォーク』今野紀雄 (森北出版, 2014)

14:20 - 15:20
講演者:横山 啓一 (日本原子力研究機構)
講演タイトル:量子ウォークとレーザー同位体分離
アブストラクト:放射性廃棄物の処理に関連した技術課題として重元素の精密同位体分離がある。量子ウォークの特徴を利用することで精密かつ高効率な重元素のレーザー同位体分離が実現するかもしれない。その実現性・拡張性を検証していくために原理の洗練と拡張が望まれている。例えば、実装は比較的容易だが選択性に限界がある「連続時間量子ウォーク型」のレーザーパルス波形と、実装は難しいが完全な選択が可能な「離散時間量子ウォーク型」のレーザーパルス波形が見出されている。これらの中間的なレーザーパルス波形の探索や多次元化の研究が今後重要になると思われる。講演では、関連する研究の背景と現状、今後の展開について紹介したい。

【15:20~は非公開の議論】
 
7月25日(火)
【非公開の議論】
 
7月26日(水)
09:30 - 10:00
講演者:結城 謙太 (広島大)
講演タイトル:遷移行列の対角成分に由来する連続時間量子ウォークの局在化の数理解析
アブストラクト:光パルス列による二原子分子回転励起におけるパルス間隔不整合と遠心力歪みの効果は、相互作用を連続時間量子ウォークとして捉えた際の遷移行列の対角成分の効果に帰着することが出来る。これらの局在化の効果は松岡の統一パラメータによって正確に評価できることが既に示されているが、現在のところ経験的・数値的なパラメータでしかなく、理論的な根拠が不十分な状況となっている。本講演では対角成分に由来する局在化に関するより厳密な数理解析についての現状と課題について報告する。

10:10 - 11:00
講演者:西郷 甲矢人 (長浜バイオ大)
講演タイトル:量子ウォークと同位体分離の基礎数理ー量子確率論の観点から
アブストラクト:同位体分離の数理を考えるためには、比較的高励起の状態における量子系の普遍的な振る舞いを考えることが欠かせない。そのための第一歩として、「一般化された量子調和振動子系」 (「相互作用フォック空間」という概念で表現される系)における「量子古典対応」の数理を考えてみよう。講演者は数年来、量子確率論 (古典的な確率論を非可換化して量子論を包含できるように一般化したもの)の立場からこの「量子古典対応」を研究し、直交多項式の普遍的な振る舞いや (主として整数格子上・連続時間)量子ウォークとの数理との関連を研究してきたが、ごく最近この研究と同位体分離というきわめて現実的な問題との関連が明らかとなってきた。本講演においては、量子確率論の基礎概念の説明からはじめて、現在進行中の共同研究の入り口まで皆さんをお招きしようと思う。

11:10 - 11:50
講演者:井手 勇介 (神奈川大)
講演タイトル:path上の離散時間量子ウォークの固有解析
アブストラクト:pathグラフ上の離散時間2状態量子ウォークについて, 各頂点の量子コインの固有値が等しい場合の時間発展 作用素の固有解析を紹介したい.この場合,対応する 離散時間ランダムウォーク (出生死亡連鎖)を構成し, その推移確率行列の固有解析を用いて,量子ウォーク の時間発展作用素の固有解析が可能である[1].
[1] C.-L. Ho, Y. Ide, N. Konno, E. Segawa, K. Takumi, A spectral analysis of discrete-time quantum walks with related to birth and death chains, arXiv:1706.01005